設立趣意書

 

 性暴力は、被害者の身体を傷つけるだけでなく、それまでその人がもっていた人生観や世界観、また他者や社会への信頼感や関係性を大きく揺るがす、まさに「魂の殺人」であり、重大な人権侵害です。

 

 しかし、いまの日本では、性暴力の被害者への支援が不十分であり、多くの被害者が誰にも(どこにも)被害を訴えることができずに一人で苦しんでいます。また、被害の実態や被害者がおかれている実情への理解が不十分なことから、被害を訴え出た被害者が「二次被害」を受けることもあります。

 

 このような日本の状況の改善を目指して、神奈川県内の医療関係者、法曹、被害者の相談・支援機関・団体の支援者、研究者等が集まり、201164日、本ネットワークは設立しました。

 

 私たちは、すべての被害者が、その尊厳の回復、心身のケアおよび生活の再建のために必要な支援を、その人の住む地域で、被害直後から途切れなく継続的にうけることができる、「地域を基盤とした包括的な性暴力の被害者支援体制」を神奈川でつくることを目標に活動をしていきます。

 

 

)「二次被害」とは、被害そのものを一次被害と言うのに対し、被害を訴え出た被害者が、関係機関・報道機関・周囲の人たち等の理解のない言動(被害者の「落ち度」を責められるなど)によって傷つけられることを言います。